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【鍵管理】スマートロックとは?

建物維持・室内設備関連

池田 綾子

筆者 池田 綾子

管理営業部の池田です。オーナー様と入居者様、双方が安心してお取引できるよう、建物の維持管理から入居者様対応まで、スムーズな運営をサポートします。「空室対策」や「修繕・リフォームのご相談」などもお任せください!安心して管理をお任せいただけるよう、きめ細やかな対応を心がけています。

鍵の管理は、オーナー様・借主様双方にとって重要な課題です。物理鍵は紛失や盗難のリスクがあり、オーナー様にとっては退去時の鍵交換費用や入居者様への鍵の引き渡し管理が発生します。これらの負担を軽減する手段として、スマートロックが注目されています。

スマートロックとは?

スマートロックとは、従来の物理鍵を使わずに、スマートフォン、ICカード、暗証番号、指紋認証などを利用して解錠できる電子錠です。遠隔操作やオートロック機能を備えたものもあり、鍵の管理を効率化できる点が特徴です。スマートロックには大きく分けて以下の2種類があります。



1.後付け型スマートロック(市販のタイプ)
・既存の鍵に取り付けるタイプで、賃貸物件でも利用しやすい。
・比較的安価で導入しやすいが、外観や強制導入の難しさが課題。


2.鍵自体をスマートロックに交換するタイプ
・物理鍵を完全になくし、電子キーだけで管理するタイプ。
・物件全体のセキュリティ向上につながるが、導入費用が高い。


ここでは、オーナー様・入居者様の視点から、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

【オーナー様視点】
オーナー様がスマートロックを導入する場合、鍵自体をスマートロックに交換するタイプが最も効果的です。この方法は、物理鍵を完全に電子キーに置き換えることで、セキュリティの向上や管理の効率化を実現します。ただし、導入に際しては、いくつかのポイントを理解しておくことが重要です。

鍵自体をスマートロックに交換するメリット
1.高いセキュリティ性
物理鍵が不要になり、鍵の紛失や複製のリスクを完全に排除できます。ピッキングや不正解錠のリスクも減少し、セキュリティが大幅に強化されます。
2.物件の価値向上
スマートロックの導入により、物件がより現代的で高級感のある印象を与え、差別化が可能になります。特にセキュリティを重視する借主に対して魅力的なポイントとなり、賃料のアップや契約の獲得に繋がる可能性があります。
3.管理の効率化
退去時に鍵の交換が不要になり、管理の手間を大幅に削減できます。また、各入居者ごとにアクセス権を設定できるため、遠隔操作や解錠履歴の確認ができ、トラブル対応も迅速に行えます。


4.オートロック機能の追加
スマートロックにはオートロック機能があるため、入居者様が鍵の閉め忘れを防げます。これにより、セキュリティ面での安心感が高まり、無駄な管理作業を減らすことができます。

鍵自体をスマートロックに交換するデメリット
1.初期費用が高額
後付け型のスマートロックよりも、鍵自体の交換に伴うコストが高くなります。1カ所あたりの費用が数万円から数十万円程度かかる場合があり、大規模な物件での導入には相応の予算が必要です。
2.運用管理の手間
システムに不具合が生じた場合の対応や、停電時の対応が求められます。スマートロックの操作方法を入居者に周知するサポートも必要です。
3.一部の入居者には不向きな場合がある
高齢者やスマートフォンを使用しない入居者には、スマートロックの操作が不便に感じることがあります。また、物理鍵を併用できないタイプのものだと、トラブル発生時の対応が難しくなることがあります。

まとめ
鍵自体をスマートロックに交換するタイプは、長期的に見てオーナー様にとって多くのメリットをもたらします。物理鍵の管理負担が減り、物件のセキュリティ強化や価値向上につながります。ただし、初期費用や運用管理が必要となるため、導入前にしっかりと検討することが大切です。一方で、後付け型のスマートロックは、初期投資を抑えたい場合や、まず試験的に導入したい場合に適していますが、物件全体の統一感を保つことが難しいため、全面的に導入する場合は鍵自体の交換が望ましいといえるでしょう。

【借主様(入居者様)視点】
借主様がスマートロックを導入する場合、後付け型スマートロックがおすすめです。後付け型スマートロックは、既存のドアに取り付けるだけで利用でき、原状回復が可能なため、賃貸物件でも導入しやすいという特徴があります。ただし、賃貸物件では管理会社やオーナー様の許可が必要であり、導入後は原状回復ができる方法を選ぶことが重要です。

後付け型スマートロックのメリット
1.簡単に導入できる
既存のドアに取り付けるだけで利用可能で、追加の工事や大掛かりな変更は不要です。これにより、短期間でスマートロックを導入できるため、時間的コストが少なくて済みます。
2.原状回復が可能
賃貸物件の場合、退去時には元に戻すことが求められることがあります。後付け型のスマートロックは、取り外しや元の鍵に戻すことが簡単にできるため、原状回復が可能で、オーナー様や管理会社に許可を得た上で安心して利用できます。
3.コストが抑えられる
市販の後付け型スマートロックは、比較的安価で導入できるため、初期投資が少なく済みます。通常、1万~3万円程度で導入できるため、コストパフォーマンスが良いです。
4.便利な機能
スマートフォンやICカード、暗証番号で解錠できるため、物理鍵を持ち歩く必要がなく、紛失や盗難のリスクを減らせます。さらに、遠隔操作やオートロック機能を活用することで、セキュリティ面でも安心です。


後付け型スマートロックのデメリット
1.電池切れや機械トラブルのリスク
スマートロックは電池で動作するため、電池切れ時に解錠できなくなる可能性があります。定期的に電池交換をする必要があり、手間がかかる場合があります。
2.見た目の問題
一部の後付け型スマートロックは、見た目がシンプルではなく、ドアに取り付けた部分が目立つ場合があります。美観を重視する場合には、この点が気になることがあります。
3.操作に慣れる必要がある
スマートロックに不慣れな入居者の場合、最初は使い方に戸惑うことがあります。操作方法をしっかり理解するためのサポートが必要です。

注意点:許可と原状回復
賃貸物件でスマートロックを導入する場合、管理会社やオーナー様の許可が必要です。事前に許可を得た上で設置を進めることが重要です。また、取り付ける際には、退去時に元の状態に戻せる(原状回復可能)方法を選ぶことが求められます。これにより、トラブルを避け、退去時にもスムーズに対応できます。

まとめ
借主様にとって、後付け型スマートロックは、導入が簡単でコストを抑えながら便利さとセキュリティを向上させるための最適な選択肢です。ただし、管理会社やオーナー様の許可を得ること、また原状回復が可能な方法を選ぶことが重要です。電池切れや見た目、操作の慣れなどのデメリットもありますが、これらを考慮し、快適で安全な生活をサポートするためにスマートロックを導入する価値は十分にあります。


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