築年数が古い物件のLED化と器具の寿命について
築年数が古い物件では、共用部の電灯をLEDに変更することでコスト削減や維持管理の負担軽減が期待できます。 しかし、LEDは長寿命とはいえ、器具のほうが先に壊れる可能性があるため、適切な選択が必要です。
1. 白熱電球・蛍光灯の製造・販売終了とその影響
近年、環境対策や省エネルギー推進の流れから、白熱電球や蛍光灯の製造・販売が終了しつつあり、今後の交換が難しくなります。
✅ 白熱電球
・2010年3月 東芝ライテックが白熱電球の製造を終了
・2014年 日本政府の「エネルギー基本計画」により段階的に廃止が進行
✅ 蛍光灯(直管・丸型など)
・2018年・2020年 「水銀汚染防止法」により、一部蛍光灯や水銀灯の製造・輸入が禁止
・2027年末 までに、国内での蛍光灯の製造・輸入が完全終了予定
つまり…
従来の照明を使い続けると、交換用の電球が手に入りにくくなり、維持管理が難しくなる可能性があります。
2. LED化のメリット(特に古い物件での利点)
✅ コスト削減(電気代&交換頻度の低減)
・LEDは白熱電球の約1/5、蛍光灯の約1/2の電力で同等の明るさ
・寿命は約40,000~50,000時間と長いため、交換の手間とコストを削減
✅ 防犯・安全性の向上
・LEDは明るさが安定し、点灯が早いため、共用部の防犯対策にも有効
・ちらつきがなく、突然の消灯リスクが低いため、入居者様の安心感も向上
✅ 環境負荷の軽減(SDGs対応)
・CO₂排出量削減&ゴミの発生を抑え、環境にやさしい
3. LEDは「電球」より「器具」のほうが先に壊れる?
LEDの光源は長寿命ですが、器具の内部部品(電源や基板)が劣化しやすいため、器具のほうが先に故障することがあります。
熱による影響 → 放熱が不十分だと内部部品の劣化が早まる
電源(ドライバー)の寿命 → LEDは直流で動作するため、電源部が故障しやすい
湿気・ホコリの影響 → 古い建物の共用部では、環境要因で器具の寿命が短くなることも
つまり…
LED電球は長持ちしても、古い器具が劣化していると交換が必要になる可能性がある。
4. LED電球とLED器具、どちらを選ぶべき?
▶ 既存の器具を活かすなら「LED電球」
既存の照明器具にそのまま設置できるため、低コストで導入可能
器具がまだ使えるなら、電球交換だけで十分
▶ 長期的なメリットを考えるなら「LED器具」
古い器具の劣化が進んでいる場合は、LED器具ごと交換したほうが安心
一体型LED照明はスリムでデザインも向上、明るさも安定
共用部など頻繁に交換できない場所にはLED器具がおすすめ
5. まとめ
・白熱電球は2010年頃から段階的に廃止、蛍光灯も2027年に完全製造終了予定
・LED化は、電気代削減・メンテナンス負担軽減・防犯向上・環境対策の面で大きなメリットがある
・ただし、LED器具の内部部品(電源や基板)が先に壊れる可能性があるため、器具の状態を確認しながら選択することが重要
▶ 既存の器具が問題なければLED電球で対応
▶ 器具が古いならLED器具ごと交換したほうが安心
「築年数が古い物件だからこそ、長寿命で省エネなLED照明で管理負担を減らすのが得策!」