賃貸物件の人気設備の変遷(1975年~2025年)
賃貸物件の設備は時代とともに変化しており、住環境のニーズやライフスタイルの変化に応じて進化してきました。
以下では、1975年から2025年まで、5年ごとの設備の変遷を振り返り、特に注目すべき設備の変化についてご紹介します。
1975年(50年前)
・水洗トイレ(まだ汲み取り式も多かったため、あると人気)
・ガス湯沸かし器(お湯が使える便利さが評価)
・ベランダ付き(洗濯物を干せるスペースが重要)
1980年(45年前)
・ユニットバス(施工が簡単でコストが安いため普及)
・エアコン(まだ高級設備だったが、設置物件が増加)
・都市ガス対応(プロパンより安価で人気)
1985年(40年前)
・エアコン完備(一般的になり、設備として求められる)
・フローリング(畳より手入れが楽なため人気)
・バス・トイレ別が徐々に普及(ユニットバスからの移行)
1990年(35年前)
・バス・トイレ別(ユニットバスより快適な環境が求められる)
・有線放送(USEN)(音楽を楽しめる物件が人気)
・エアコン完備(この頃にはほぼ標準設備に)
1995年(30年前)
・オートロック(セキュリティ意識の高まり)
・システムキッチン(コンロ付きで調理がしやすい)
・光ファイバー対応(インターネットの高速化が進む)
2000年(25年前)
・ウォシュレット(温水洗浄便座)(トイレの快適性向上)
・宅配ボックス(ネット通販の利用増加に対応)
・シャンプードレッサー(独立洗面台の人気上昇)
2005年(20年前)
・追い焚き機能付き風呂(省エネと快適性の向上)
・防犯カメラ(セキュリティ設備の強化)
・浴室乾燥機(雨の日の洗濯に対応)
2010年(15年前)
・インターネット無料(ネット環境の重要性が高まる)
・TVモニター付きインターホン(訪問者の確認ができる安心感)
・24時間ゴミ出し可(ライフスタイルの多様化に対応)
2015年(10年前)
・シューズクローゼット(収納スペースの充実)
・ホームセキュリティ(ALSOKやSECOMなどの導入)
・ペット可物件(ペット共生型住宅の需要増加)
2020年(5年前)
・スマートロック(電子錠)(鍵の管理が不要で便利)
・ワークスペース完備(在宅勤務の増加に対応)
・ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)対応(省エネ志向の高まり)
2025年(現在)
・インターネット無料(必須設備として定着)
・宅配ボックス(通販利用が当たり前に)
・浴室乾燥機(家事の利便性向上)
まとめ
賃貸物件の設備は時代とともに進化し、住む人のライフスタイルに合わせて変わってきました。
・1970~1980年代は、トイレや風呂などの基本的な生活設備が整備される時期でした。
・1990年代には、バス・トイレ別の需要が高まり、より快適さを求める傾向が強まりました。
また、インターネット環境の整備が始まり、セキュリティ面でもオートロックが導入されるようになりました。
・2000年代以降は、宅配ボックスやスマートロックなど、利便性を高める設備が増え、インターネットの重要性が一気に高まりました。
現在の賃貸市場で特に求められる設備としては、以下のようなものが挙げられます。
・インターネット無料 & 高速回線対応(テレワークや動画配信の普及で必須)
・宅配ボックス(ネット通販利用の増加に対応)
・スマートロック & 防犯設備(セキュリティ強化で安心感アップ)
・バス・トイレ別 & 浴室乾燥機(快適性・利便性向上)
・収納スペースの充実(ウォークインクローゼットやシューズボックスなど)
築年数が経っている物件でも、設備を更新することで入居率の向上が期待できます。
例えば、バス・トイレ別へのリフォームや、宅配ボックスの導入、Wi-Fi環境の整備などは、比較的手軽に導入でき、効果も大きいポイントです。
特にインターネット環境の整備は、今の入居者にとって"必須条件"になりつつあり、未対応の物件は選ばれにくい傾向があります。
こうした最新のニーズに応えることで、物件の競争力を高め、より多くの入居者に選ばれる賃貸物件を作ることができます。