賃貸物件の収納設備の変化と現代化のポイント
賃貸物件における収納設備は、時代とともに大きく変化してきました。
50年前は押入れが主流でしたが、クローゼットやシューズボックス、オープン収納など、より使いやすく、収納力のあるものへと進化しています。
近年では、入居者のライフスタイルに合わせたフレキシブルな収納が求められるようになっています。
今回、過去50年間の収納設備の変遷を振り返りながら、既存の物件を現代風にアップデートする方法を紹介します。
1. 賃貸物件の収納設備の変化(過去50年を振り返る)
1970年代~1980年代:押入れ・開き戸収納が主流
・押入れが主流で、ふすまを用いた和室収納。
・開き戸付きの2段収納があり、布団や衣類を収納するスタイル。
・賃貸住宅では収納スペースが小さく、収納家具の設置が前提。
1990年代~2000年代:クローゼットの普及とシューズボックスの導入
・洋室の普及に伴い、押入れからクローゼットへ移行。
・玄関にシューズボックスが標準装備されるように。
2010年代:ウォークインクローゼット・壁面収納の登場
・ウォークインクローゼット付きの物件が増加。
・収納力を増やすための壁面収納が普及。
2020年代以降:カスタマイズ性の高い収納へ
・オープンクローゼットや可動棚、見せる収納が人気。
・賃貸でも入居者がアレンジしやすい収納が求められる。
2. 既存の賃貸物件を現代風にする収納アイデア
(1) 押入れをクローゼットにリフォーム
✅ 和室の押入れをクローゼットに変更し、洋室との統一感を出す。
✅ ふすまを撤去し、開放感のあるオープンクローゼットに。
✅ ハンガーパイプや可動棚を設置し、収納力と使い勝手を向上。
(2) 2段式の開き戸収納のリニューアル
✅ 昔ながらの2段収納(上段・下段に分かれた開き戸タイプ)を、より使いやすい形に変更。
✅ 扉を撤去することで、扉の開閉スペースが不要になり、部屋を広く使える。
✅ オープンラックとして活用し、見せる収納へ。
✅ 可動棚を設置し、収納するアイテムに合わせた調整が可能に。
✅ 上段をハンガーラック、下段を引き出し収納にすることで、使い勝手を向上。
(3) クローゼットのアップデート(オープン化)
✅ 折れ戸・引き戸を撤去し、オープンクローゼットに変更。
✅ 扉を撤去することで、扉の開閉スペースが不要になり、部屋を広く使える。
✅ ロールスクリーンやカーテンで目隠し可能に。
✅ ハンガーパイプを2段式にし、収納力を向上。
✅ 可動棚を設置し、入居者が自由に調整できるように。
(4) 玄関収納のリニューアル
✅ シューズボックスの扉を外し、オープン収納化。
✅ 可動棚を設置し、靴以外の小物も収納可能に。
✅ 玄関横の壁にフックや棚を設置し、収納スペースを拡充。
✅ スリムなシューズラックを導入し、省スペース化。
(5) キッチン収納の現代化
✅ 吊戸棚の扉を外してオープンラック化。
✅ 突っ張り棚やワイヤーバスケットを設置し、収納力を向上。
✅ 冷蔵庫上のスペースを活用し、可動棚を設置。
✅ キッチンカウンター下に収納ラックを追加し、調理器具の収納を強化。
(6) 壁面収納の導入(カスタマイズ可能な収納)
✅ 有孔ボードを活用し、リビングや玄関の収納スペースを増やす。
✅ フックや棚を自由に配置できるようにして、入居者がアレンジ可能に。
✅ オープンシェルフ・オープンラックを設置し、収納兼ディスプレイスペースに。
✅ 入居者がDIYできる「ラブリコ」や「ディアウォール」を推奨。
(7) ベッドルーム収納の工夫(スペース活用)
✅ 収納付きベッドを推奨し、デッドスペースを有効活用。
✅ ロフトベッドを導入し、下を収納スペースとして使えるように。
✅ クローゼットの奥をデスクスペースに変更可能。
✅ 折りたたみデスクを壁面に取り付け、ワークスペースとして活用。
(8) ベランダ収納の有効活用
✅ 屋外用収納ボックスを設置し、掃除道具や防災用品を収納可能に。
✅ ベランダに置くだけの収納アイテムを活用し、賃貸でも導入しやすく。
3. 賃貸物件の収納を現代風にするメリット
✅ 扉をなくしてオープン収納化し、圧迫感を減らす
✅ 可動棚・有孔ボードを活用し、カスタマイズしやすく
✅ デッドスペースを有効活用(玄関・キッチン・ベランダ)
✅ ワークスペースやパントリー風収納を取り入れ、利便性UP
賃貸オーナー向けのポイント
・収納を増やすだけでなく、「使いやすさ」を意識する
・費用をかけずにできる工夫(扉を外す・棚を追加)が重要
・入居者がカスタマイズできる収納にすることで、長期入居につながる
収納の工夫次第で、賃貸物件はより魅力的になります。
収納設備の見直しを行い、入居者が快適に暮らせる住まいを提供しましょう!