【賃貸管理】入居者様からの「植栽トラブル」相談、どう対応する?
今回はオーナー様からご相談の多い「植栽トラブル」について、よくあるケースとその対応策をご紹介します。
植栽は、物件の外観や印象を良くする大切な要素ですが、一方で管理が行き届いていないと入居者様からのクレームや近隣とのトラブルに発展することもあります。
よくある植栽トラブルと対応方法
1. 隣地の木の枝が越境してきている
「ベランダに隣の枝が入り込んできて困っている」といった相談。
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✅【図解】越境植栽の対応フロー:
入居者から相談
↓
現地確認
↓
オーナー様 or 管理会社から隣地へ通知
↓
→ 相手が剪定 → 解決
→ 未対応なら再通知 or 民法に基づき自ら剪定(枝は通知必須/根は無断OK)
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2023年の民法改正で、「枝は通知後に自分で切ることが可能」「根は無断で切除可能」になりました。
ただし、入居者様が勝手に対応するとトラブルになる可能性があるため注意です。
2. 落ち葉が大量に飛んでくる
「毎年秋になると、隣の木の落ち葉が物件の庭に溜まり、掃除が大変」
排水溝に溜まる落ち葉
共用部に溜まる落ち葉
対応策としては:
・定期的な清掃の強化
・落ち葉ネットの設置
・隣地へ配慮をお願いする(丁寧な表現で)
3. 虫や害獣の発生
「毛虫が大量発生している」「ムカデが出るようになった」
植栽が原因で発生するケースも多く、特に夏場は要注意です。
・物件内なら→年2~3回の薬剤散布+剪定
・隣地由来の場合→管理会社から相談・調整
・自治体に相談できる場合もあります(公共スペースなら)
4. 入居者の植木鉢によるトラブル
「水が階下に漏れた」「避難経路に植木鉢が置かれている」
これはルール化と周知で予防できます。
✅ 対応ポイント:
ベランダ使用規約を契約書や入居案内に明記
・注意喚起の掲示物・メール・巡回時の声かけ
・問題が起きた場合は、写真付きで記録し、改善指導へ
5. 隣の木で日が入らない
「リビングが1日中暗い」「洗濯物が乾きにくい」
【コラム】入居者のリアルな声
「内見のときは気づきませんでしたが、住んでみたら木が大きくなりすぎてカーテン開けても真っ暗…。昼間でも電気つけています。」
こういった日照トラブルは、「日照権」の侵害として主張できるケースもあります。
まずは現地の状況確認を行い、必要であれば専門家(弁護士・行政書士)との連携を検討しましょう。
✅ トラブルを未然に防ぐために
ポイント 対策例
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管理範囲の明確化 専用庭・共用部の扱いを契約書に明記
植栽の選定 成長が穏やかで落葉しにくい樹種を選ぶ
定期メンテナンス 年に数回の剪定・消毒を計画的に実施
入居者様フォロー 小さな相談にも早めに対応する姿勢
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まとめ
植栽は物件の魅力づけの一方で、管理を怠るとクレームの火種になります。
特に隣地や入居者様の植木鉢など、自分でコントロールしにくい問題もあるため、管理会社との連携・丁寧な対応・ルール整備がカギです。
入居者様の満足度を高めるには、「困ったときにきちんと相談できる」「対応してくれる」という信頼が重要です。
植栽トラブルもその一環として、しっかり取り組んでいきましょう!