賃貸物件の放置自転車・無断駐輪への対応と撤去方法
賃貸アパートやマンションでは、駐輪場のルール違反や放置自転車がトラブルになることがあります。
通行の妨げや他の入居者が使えないなどの問題を避けるため、管理者としての適切な対応が必要です。
弊社では駐輪シールによる管理を行っており、入居者の自転車を整理・把握しやすくしています。
今回は、普通の賃貸物件でできる対応方法と敷地内自転車の撤去のポイント、退去時の処分忘れ対応、さらに警察への盗難登録照会についてもご紹介します。
1. 無断駐輪や放置自転車が起こる理由
- 駐輪ルールが曖昧で、入居者に十分周知されていない
- 駐輪スペースが不足している
- 他の入居者や近隣の人が無断で停めてしまう
2. 駐輪シールでの管理と確認
弊社では、駐輪場に停める自転車には入居者ごとに番号付きの駐輪シールを貼っています。
- 駐輪シールの有無で契約者かどうか判断
- 無断駐輪や放置の自転車は写真で記録し、管理台帳で確認
3. 放置自転車・無断駐輪への対応手順
(1) 状況確認
- 駐輪シールの有無や設置場所を確認
- 放置自転車の写真を撮り、記録
(2) 注意・警告
- 自転車に注意札を貼り、「〇日までに移動・撤去してください」と通知
- メールや掲示板で「契約違反の自転車は撤去対象」と伝える
(3) 撤去・処分
- 契約違反の自転車は一定期間後に撤去可能
- 撤去後、一定期間保管して引き取りがなければ廃棄
- 区役所は私有地の敷地内自転車は処分できないため、管理者が対応
4. 処分・撤去の前に必ず行うこと：警察への照会（盗難登録の確認）
退去時や長期間放置で撤去・処分する前に、最寄りの交番や警察署に連絡して盗難登録（防犯登録・盗難届）の照会を依頼してください。盗難車だった場合、誤って処分すると大きなトラブルにつながります。
実務での手順
- 現状記録：自転車の写真（前後・車体全体・登録シールや番号）、車体番号や形状・色・鍵の種類をメモ
- 警察へ連絡・照会依頼：「敷地内で発見した放置自転車について、防犯登録や盗難届の有無を照会したい」と伝える
- 警察の指示に従う：盗難登録がある場合は返還手続き、無い場合は処分可能と確認
- 確認記録を保管：連絡日時、担当署名・担当者名、照会結果を記録
- 処分・撤去：警察確認済みの上で撤去・保管・廃棄
5. 敷地内自転車撤去のポイント
- 物件敷地内の自転車は管理者判断で撤去可能
- 事前通知（注意札・掲示板・メール）を必ず行う
- 契約書に「無断駐輪は撤去対象」と明記するとトラブル防止
- 駐輪シールで管理することで、誰の自転車か明確になり、撤去の判断もスムーズ
6. 退去時の放置自転車対応
- 退去立会い時に駐輪場も確認：駐輪シールが残っているか、無断放置自転車はないか
- 注意喚起・引き取り依頼：退去前に自転車の移動・撤去を依頼
- 撤去後の処分ルールを明示：連絡なく放置された場合は管理者が撤去・廃棄することを契約書に明記
- 警察への盗難照会を実施：処分前に盗難登録の有無を確認
7. 入居者向け 注意喚起文例
駐輪場の利用についてのお願い
当物件の駐輪場は、入居者専用のスペースです。駐輪場のルールに従わない自転車（無断駐輪・長期間放置）は、管理者の判断で撤去させていただく場合があります。
自転車には番号付きの駐輪シールを貼っています。シールが貼られていない自転車は撤去対象となりますので、〇月〇日までに移動または申請をお願いいたします。退去時も忘れずに撤去をお願いいたします。
※処分の前に警察で盗難登録の有無を確認します。万が一、盗難届が出ている場合は警察の指示に従い対応します。
8. トラブルを防ぐ予防策
- 契約書や入居時の説明で駐輪ルールを周知
- 駐輪シールで番号管理
- 定期的に巡回して違反自転車を早期発見
- 駐輪台帳を作り、誰の自転車か管理できる状態にする
9. ケース別対応例
- 入居者の自転車が駐輪場以外に放置されている場合 → 注意札を貼り、連絡後に撤去
- 契約者以外の無断駐輪 → 駐輪シールで特定し、契約者に注意喚起
- 退去時に自転車が残っている場合 → 警察照会後、管理者が撤去・廃棄、必要に応じて費用請求
まとめ
普通の賃貸物件でも、放置自転車や無断駐輪、退去時の処分忘れはトラブルの原因になります。
駐輪シールで管理することで誰の自転車か明確になり、注意喚起や撤去もスムーズです。契約書の明記・注意喚起・撤去ルール・警察照会を整備し、入居者が安心して利用できる駐輪場を維持しましょう。
